日本が誇る2大ブランドが生み出した、ローゲインという誘惑
Shun nokina と Phantom fx がコラボを組んだドリームペダル。
ペダルマニア達を沸かせた、歴史的な個体。
Low Gain wonder という通り、派手さは無いものの
繊細なチューニングが施され、大人の香りがする一台となっている。
今回は Phantom fx BELLs について解剖していきます。
付属品・仕様
箱、説明書、オリジナルピック、ゴム足、(保証書)
箱については、以前ご紹介した Phantom fx FLUID についていた黒い箱の時期もあるがこちらは初期型の作品のためパッケージデザインが異なる。どうしてもこちらのペイント仕様のものが欲しかったので、レギュラーラインのは見送っていた。
LEDは黄色。それでは全体をご覧いただきましょう
今回は鐘が印象的なデザインです。それと歯車。Phantom fxにとって 歯車はキーワードなんでしょうかね。
他の機種でもよく見かけ、どことなくスチームパンクっぽくて好きなんです。
パカーン。この頃はまだゴーストが残ってますね。
WIMA ERO 等のコンデンサーがぎっしりと。一部モールドされていました。
OPアンプは剥がされていたので特定できませんでした。
この黄色と青のコンデンサー。
緑の配線材はLENZですかね。部分的に使われているので、サウンドの微調整をおこなってそうですね。
フェアチャイルド製 2N5952
からげて半田付けされていたのが特徴的でした。レンジ感が変わってくるのだとか。
気になったのは、このINPUT ジャック ビンテージのスイッチクラフトっぽいんですよね。
ギターのジャックとかもそうなんですけど、結構音が変わるのでもしそうだとしたらすごい拘りですね。
サウンドチェック
それではサウンドチェックです。
普通のオーバードライブペダルでは見ない、1776とBELLと呼ばれるコントロールがついています。
1776は、Gainに相当するコントロールでBELLは相対的にローエンドを強調するのか、ハイエンドを調整するかのコントロール。
弾いてみた感触はトランスペアレント系に近いですね。タイトルにもあるように、Low Gain wonder の名の通り、1776を一杯にまで上げても深く歪まず、ローゲインを楽しむという大人のペダル。独特の透明感と抜群の分離感を持ちつつも、前述した通り1776は12時より上に上げない方がいいと思います。VOXアンプのGain を上げていったバリバリと張りつくような歪みで悪くもないですが、そういった使い方を前提に作られてない感じがしました。それよりもBELLのコントロールこれが面白く、音質はそのままでエンド感を調整するだけでまるで聞こえ方が違うので魔法をかけられたかのような錯覚に陥り癖になります。センターポジションの位置が、フラットなポジショニングと捉え、そこからまさにサウンドの方向性を「天秤」にかけるかのように、左右好みの位置に振り分ける。左側に振るとしっとりとしたローの安心感が心地よいサウンドに、右側に振ると、逆にくっきりと輪郭が現れ明瞭なサウンドに。私はハイエンド側によせたセッティングの方が好みで、他のペダルをブーストさせた時に格段に抜けの良いサウンドを構築できます。Fuzz との相性も選ばず使えます。オーバードライブペダルではありますが、歪みペダルというより直に倍音感を調整できるペダルの感覚です。
ただ、自分の力量が露骨に音として出てくるので相当扱いにくく、BJFEのHBODが元になっているとのことでしたがBELLsを弾いてみた感じだと、本家もなかなか手強いペダルなんでしょうね。似ているペダルを自分が試してきた中で挙げるとHuman gear の PASSIONATTO。あれに近いと思います。
ちゃんとギターを練習して使いこなせるようになったらすごく気持ちがいいペダルなのは間違いありません。
入手経路
既に生産完了品のため、新品入手は不可。中古市場ではよく見かけるので気になった方はそちらをチェック。
まとめ
今回は Phantom fx BELLs について解剖しました!
夢にまで出てくる文字通りドリーミーなペダルでしたが
よく手放している方を見かけるのも納得の一台。
スルメ系ペダルに堂々のランクイン決定っす!
それでは、また!