琥珀色に燦然とする 至高の頂
現代において、エフェクターとは至極当たり前の存在になった。
自作から始まり、そのままペダルメーカーとして旗揚げ
今では数え切れないほどのブランドが世界中で凌ぎを削る、まさに群雄割拠の時代。
また同時に似たようなペダルばかりが生まれ、「何を選べば良いのか」むしろ「何でも良いのでは」
そんな自問自答を繰り返し、微々たる違いを 悩ませる 混沌の時代でもあるように思う。
その中で Love pedal というブランドは一つの答えを持っている。
一線を画する存在感と その圧倒的なカリスマ性で 多くのペダルビルダーがその名を口々にし 羨望の眼差しを向ける。
今回は、Love pedal の中でも最高傑作と名高い「ETERNITY(BURST)」について解剖していきたいと思う。
Love pedal とは
Sean Dunigan氏が主催する、ブティックペダルブランドの元祖とも言える。
多くのペダルマニアを虜にしてきた作品ばかりで、後のペダルブランドに大きな影響を与えたのは確かであろう。
代表作として、今回ご紹介する極上のTS系ペダルと名高い「ETERNITY」ツイードチャンプ系のピュアなサウンドが魅力的な「champ」
60’sのプレキシトーンを再現させた「COT 50」など。アンプライクなサウンドが人気のブランドである。
そして、LOVE(愛)にちなんだ Kanjiシリーズ。筐体に「愛」の一文字がデザインされそれまた愛らしい個体となっているものもある。
ETERNITYも初期のBURSTをはじめ、時期によってデザインが異なりバリエーションも多岐にわたる。
Phantom fx の 戸高氏 や Noel の Iwata氏も フェイバリットペダルにあげるほど。
ハンドワイアードを採用していたのは、比較的初期の頃でのちにPCB基盤に切り替わる。
どちらのサウンドが良いか、評価が別れるところではあるが惹きつける何かを強く持っている。
仕様
今回は本体のみを入手したため付属品に関してはありません。
早速全体をご覧いただきましょう。
何といっても、特徴的な見た目のBURSTカラー。初期のみに見られる仕様でこの時期のものは特にペダルマニア達から評価が高い。
その人気から、近年 復刻版として再販売された。極上のTS系のペダルというわけだ。
私のはボトムプレートが塗装されておらず、これも初期に見られる仕様のようだ。
塗装までもがハンドメイドな為、一台一台表情が違う。縁の部分が太いものもあれば、経年の劣化で少し緑がかったような個体も見たことがある。気に入ったBURSTを探してみて欲しい。
ETERNITY(BURST)はエフェクターブックスペシャルで、ランキング入りを果たしているのでそちらもチェックしてみて欲しい。
LEDは鮮やかなブルーのカラー。
それでは中を見ていこう。
ETERNTYといえば、このオムレツを思わせる電池ボックスのスポンジのイメージが私の中である。
なんか可愛らしくて私は好きなのだが、スポンジが厚いため綺麗に真ん中に収まるわけではない。そこもご愛嬌である。ハンドメイドのトゥルーバイパス仕様。
基盤部分はモールドがされており、絶縁対策及び基盤の機密が守られている。
オペアンプも型番部分が剥ぎ取られており、
JRC4558などが定番ではあるが、艶あり艶無しも見分けがつかない。
のちのサウンドチェックでも触れるが、ケンタ系のペダルに使われる TL072 なんかの可能性もないかなーと思ったりする。
サウンドチェック
それではサウンドチェックです。
左のノブから、Vol. / Grass / Gain といった3ノブ構成。
特徴的な部分としてはGrassと呼ばれる通常であればTONEを調節するノブである。
トレブルブースターとも近いような回路のようだが
左に行くにつれ、音の太さはそのままで靄が掛かるようなマイルドなトーンに。
逆に右側に回すにつれ、音の太さは変わらずハイミッドが強調されてくるような感じに。
丸太のような太いサウンドの芯はそのままで、ハイミッドより上の帯域を調節しているような感覚でした。
ペダルによっては、トーン上げめだと線が細くなる印象のものが多いですが、ジャリジャリとはするものの、線の細さはあまり感じられませんでした。続いて、Gainですがシルキーな質感の上質な歪みです。琥珀色のまったりとした濃厚で香りの高いウィスキーのようなテイストで、素晴らしいサウンドです。
音の傾向ですが、TS系とケンタ系のちょうど中間的なサウンドと私は認識しています。
ミッドの持ち上がり方はTS系と通じるものがありますが、広いヘッドルームと温かみのあるアコースティックな響きも持ち合わせ、
どことなくケンタの雰囲気も持っていると思います。単体で使うのは、ブルースやちょっとしたロックには良いかと思いますが現代風の激しめのサウンドは苦手だと思います。
ただ、ポップスや歌ものにはこのサウンドは重宝すると思います。優しくボーカルを包み込むような懐の深い音がします。
あくまで、クランチ気味のアンプをプッシュさせるようなそういった使用方法が ETERNITY は生きてくるでしょう。
入手経路
現在、BURSTはハンドワイアードで復刻している。デジマートなどでも見かけることがあるので
初期のものと拘らなければ、入手するのは難しくない。
初期モデルを探すのであれば稀にフリマサイトなどで待つしかないだろう。
まとめ
今回は Love pedal ETERNITY (BURST) についてまとめました。
大人なペダル筆頭ですね。見た目もサウンドも渋い。
60歳くらいになったら、メインで使いたいペダルですね。笑
それでは、また!