ある意味では問題作。ある意味ではドリーミーな意欲作。
おいおい!あのペダルって!!!!
わかる人なら、わかるこのロイヤリティある輝き。誰もが憧れるドリーミーなペダル。
いえ、違います。
よくぞここまで堂々と本家に近づけた。いや、むしろそのままというべきか。
これを製品化して良いものなのかと多くの疑問が生まれそうな問題作。
台湾発の【Dulcet pedals MASTERS long tail ver.】
でも、こんなのが欲しかった人も多いはず。ケンタを持っている「所有感」は確実に満たしてくれる。
と見た目だけで判断する方もきっと多いはず。サウンドもちゃんと踏襲してるのがすごいところ。
今回は【Dulcet pedals MASTERS long tail ver.】解剖していきたいと思います。
付属品・仕様
箱、取扱説明書、変換アダプター
本物同様、電源の入力端子は通常のものではなくセンタープラスのミニピンプラグでなければ電源供給ができない。
その為、ミニピンプラグへの変換プラグが付いているのは嬉しい。少し古いタイプのエフェクターでは
使うことも多いので、いくらあっても嬉しい。手書きのマニュアルもしっかり再現。
それでは全体を見ていただきましょう。
いや、ほんとそのまんま。裏面のラベルを見て初めて気付くレベル。
実際に、友人に見せた時も裏面を見るまでは本物と勘違いしてました。そのレベル。
所々、本当に使っていたかのように凹みとか塗装の傷など、レリック感があるのも憎いですね。
最近流行りの、Ceria tone の CENTURA でさえ、ポニーテールのおじさんがエレキギター振り回してるユニークなデザインだったのに、まんまロングテールですもんね。流石はアジア圏のモデルといったところでしょうか。
絵付きのモデルと、No picture モデル 2パターンデザインがあり、シルバーとゴールドの2色展開で販売されており
近年では、前期のモデル【Classic】と後期モデル【Standard】と分かれているようだ。私の持つものは、その表記が無かった時期の物なので、前期のモデルで間違い無いだろう。
ゴールドカラーは、【Honey Gold】【Yellow Gold】
シルバーカラーは、【Matt Silver】【Gloss Silver】の計4色のラインナップがされているようで
ゴールドはもっとオレンジがかったHoney Gold のカラーが本当に本家に似ていた。
私のは、Yellow goldという発色の明るい金色。
LEDは、本家同様Redカラー
凛々しいお姿が素敵ですね。
それでは中を見ていきましょう。
中の電池ボックスの囲みもしっかりありますね。
本家は黒くモールドされておりますが、こちらは剥き出し状態。
ケンタクローン系でもお馴染みの、TL-072オペアンプ。オリジナルは、メキシコ製が採用されております。
外れ防止のため、ほんの少しモールドが乗ってます。
そして、OUTPUTとTREBLEのPotの間(写真では左側2本の灰色の配線が出ている隣)に、抵抗が一個付いているのがわかるだろうか。
これはFax only の中でも Rev.2と呼ばれる時期の基盤で確認することができていて
1996年以降に製造されたFax only が 再現がされていることがわかる。
昇圧用の、チャージポンプもしっかり載ってます。広いヘッドルームを確保するために、内部昇圧をしているので電源には特に気をつけなければならない。
MAX1044と呼ばれるチャージポンプの品番がオリジナルでは採用されているようでしたが、物によっては異なるものがついてることがあるみたいですね。
サワーペーパーのようなベロベロもしっかり再現。ここを、普通の配線とかで済ましてしまうペダルもありますが
こちらは、オリジナルを踏襲しております。二連のポットもしっかり採用。
フットスイッチは、Dulcetの刻印が。フットスイッチのクリック感は本物と同じくカチッと軽いタイプでした。
バッファードバイパスなので、繋ぐだけで音が太くなると言うアレもちゃんと感じられます。
また、フットスイッチの配線も最初期Fax only のモデルであればフットスイッチから基盤手前部分の配線は4本なのだがこちらは5本繋がっていることから前記したRev.2モデルということで間違いはないだろう。
サウンドチェック
それでは、サウンドチェックです。
コントロール部分は、オリジナルと同じ構成。
OUTPUTを回したときに9〜10時頃からクッと音量が乗ってくる部分があるのですが、そこを境に、サウンドがガラッと変わります。他の機種では、その部分から少し線が細くなるイメージの個体も多い中、MASTERS は 独特の空気感を纏ってブワッとレンジが広がる感じがしました。
初期のGold ロングテールモデルということもあり、若干潰れたようなファジーなドライブサウンドで、普段使っているNature sound の VKC seriesよりかは、煌びやかさが無くビンテージライクなサウンドです。これは完全に好みになってくるでしょうね。
オリジナルの代用品としては、見た目も含めてチョイスとしては最適かもしれませんね。オリジナルを使っている方からの評価も高いですし、同様に高評価を得ているパーツパイプのモデルも気になりますが、そこまで大きな違いは無さそうにも感じます。
CENTAUR系のクローンは、何台も試してきましたがサウンドの方向性的にはどれも似ていて各社研究されてるのが伺えます。クローンを作るにあたって、リファレンスする個体が違えば同じロングテールだとしても、違いが出るのは当然っちゃ当然ですし、そこがまたBIG MUFF 同様 代用の効かない一台として人気の秘訣なのかもしれませんね。
勿論オリジナルが素晴らしいことは承知の上で、是非、自分だけのケンタサウンドを追求して頂きたい。
入手経路
現在、さすがにそのままの筐体はクレームがあったのか一部塗装が剥がされて販売されている模様。
表のCENTAUR表記もMASTERSに変えられたモデルなどに、少々のマイナーチェンジがあったようだ。
そのため、絵付きのシリーズは少々中古市場で高く取引されてる。
見た目はやっぱりこちらの方がカッコいいし、足元にあると対バン相手やお客さんなどもおっ!となるでしょう。
デジマートのSpoonさんにて取扱がされています。
まとめ
今回は Dulcet pedals MASTERS long tail ver. について解剖してみました。
音の評価もさることながら、決め手は完全に見た目でした。笑
これで音も近かったらこれでいいや!と思って買ってみたら、マジかと。
パーツパイプのモデルもそのうち試してみますね。
それでは、また!