Noel Cornet (CULT Specialize Howrite)

冬の情景、木漏れ日と鉱石のマリアージュ

芸術に触れていると、自分の中で瑞々しい発見が生まれたり、新たな感情が湧き出るような感覚になる。

それが時には、【懐かしさとの邂逅】であったりする。

全く知らない世界のはずなのに、自分はなぜか知っているような

遺伝子レベルで奮い立たされるようなそんな作品がある。

今回紹介するのは、2011年より製作されている「Cornet」に

PEDAL SHOP CULTとのコラボレーションで制作された特別モデル

Noel Cornet CULT Specialize Howrite を解剖していきたいと思います。

ブランド解説

【Sho Iwata】 氏が主催する国産ペダルブランド。

【Noel】としてブランドを始めたのは【2011年】からと言うことだが

ペダル製作はそれよりも前からされていたようなので、ブランド名義では無いものも存在するかも知れませんね。

Phantom fxの戸高氏や、SNDのShun Nokina氏などとの交流も深く

配線の取り回しや、ハンダ付けの技術などコンポーネントに関して、Shun Nokina氏も一目置く存在で

実際にShun Nokina氏監修のLeqtique・Phantom fx初期の製品の制作に関わっていたこともある。

Noelの製品は、外装・基盤も含めて芸術的な作品が多く、世界の芸術作品から影響を受けそれをペダルに上手く落とし込んでいるのが

ビルダーとしての高いセンスを感じられる。

使用しているパーツに希少な物が多く、2019年にCornetの後継機種であった Cornet reve も廃盤。

海外からのオーダーのみを極少数の受注生産体制となっている。

ロシアンマフ系のサウンドの【Cornet】の他、攻撃的なディストーションサウンドが特徴の【Victoire】やCMOS素子を取り入れたオールマイティなオーバードライブ【Voile】などがある。

付属品・仕様

箱、取扱説明書✖︎2

CULTとのペダルコラボである、証明書のようなものとCornetに関しての各ノブの説明が書かれた紙が二枚ほど入っておりました。

2019年の5月の製造ロットから若干のコントロール部分の変更があったそうです。

Nの刻印で蝋付のスタンプのモチーフが付いて、箱が印象的。オシャレですね。

それでは、筐体の全体をご覧ください。

こちらのデザインは【Howrite】と言う、鉱石をモチーフにした筐体。

パワーストーンの効果としては、【浄化・鎮静】等の心身を清らかにサポートすることが見込めるそうです。

インスピレーションなどを高めてくれるそうなので、ペダルとしての使用する意味にも掛けれそうですね。

このように、CULTとのコラボレーションで生まれたCornetは鉱石をモチーフとして外装のデザインが施されており

どれも美しい筐体のペダルばかりで、多くのユーザーを悩ませたことだろう。

さらに、全ての筐体の塗装を手作業で行っている為同じものは二つとして存在しないこともその一端を担っているのだ。

同時に、手にした時の所有感も大きいのが魅力的な部分でもある。

今回、このCornetに決めたのは冒頭でも少し話した通り

【懐かしさとの邂逅】があったからに他ならない。

それは、北の大地の冬。雪が敷き詰められた、森の中で空を見上げた時の光景にそっくりだったのだ。

日中でも薄暗く、木々の枝が幾重にも重なり空を遮り、静寂の中にまた雪がそっと降ってくるような。

そんな懐かしさをこのペダルから感じたのだ。だから、手に入れた。

他の人ではきっと思えないことを思わせてくれたなら、私が買うしか無いと思った。

それほどに素晴らしいデザイン。とても気に入っています。

それでは、中を見てみましょう。

裏面

ネジを外しまして

どどんと。それでは細部まで見ていきましょう。

Noel×CULTとのコラボの証である、両代表者のサインが記されています。

【specialize】と【specialise】はアメリカとイギリスの綴りの違いみたいなので意味合い的には一緒みたいですね。

それでは、基盤です。【ポイントトゥポイント】 【電池駆動可能】【9V〜18V】 まで使用できます。

まず目に入るのは、基盤のレイアウトでは無いでしょうか。

【ターミナルラグ】と呼ばれる、基盤を用いて制作されており真空管アンプなどでも使用されています。

見ただけでわかる通り、手の込んだ配線となっており、正に空中迷路。ビルダーの技術の高さが伺えます。

コンデンサー同士が手を取り合い、サウンドを作ってくれているような温かさも感じて私は好きです。

【Mallory】の鮮やかな黄色いフィルムコンデンサーが目を引きますね。

ペダル系にしては、大きなコンデンサーが使えるのもこの配線だからこそなんでしょうね。

このフットスイッチ近辺の配線の取り方なども綺麗です。

トランジスタに、Motorola製 缶タイプ【2N5133】こちらが1石

こちらが奥まっていて見えづらいですが、恐らくFairchild製の【2N5133】が3石積まれていました。

BIG MUFF系のペダルには定番のトランジスタですが、どちらとも既にディスコンなので安定して作れないのも頷けます。

このペダルを見た後に思ったのが、ビルダーのIwata氏はテトリスとかルービックキューブが得意そうな気がします。

サウンドチェック

それではサウンドチェックです。

まず、コントロールノブが3ノブ構成。2019年5月の製造ロット以降に左から

・Vol.

・Tone

・Gain

一般的な構成へと変更されている。

ポッドがALPHA製の特注品のものを使っており、コリコリとした感触が面白い。金庫のダイヤルを回しているような感覚。

かなり細かく間隔が刻まれているので、こことここの間に設定したいのに!みたいなことは起きないと思う。

硬さの加減も絶妙なので、Live中などの誤作動を防げるのも期待できそうだ。

サウンドとしては、インスパイアされたモデルがBIG MUFFの【Civil war】 と言うことなので傾向としては

【ローエンドの押し出しの強さ】【クリーミーなディストーションサウンド】などが挙げられるが

リスペクトを持って再構築された新しいペダルと言う解釈が正しい気がします。

決して、クローンを目指し波形がどうのこうのと言う路線では無く、ビルダー自身が向き合い消化し、それを昇華したペダル。

Civil war単体ではアンサンブルで埋もれがちだった部分を解消し、一枚ベールが脱がされたような質感で

先程のコンデンサーたちが一つ一つ丁寧に信号を増幅し、何度も裏漉ししたようなローミッドのクリーミーな歪み。

Gainは少し控えめなので、ラムズや他のfuzzペダルのような猛々しいワイルドな感じではなく

キメ細やかでスムーズなサスティーンの余韻が気持ちが良いペダルです。

ロシアンマフ系で、篭り気味なサウンドが気になる方とかサイズの問題とかで敬遠している方は試してみて欲しいですね。

現在の入手経路

CULT specialize以外のCornetは、既に廃盤となっているため、新品ではCULTへの入荷を待つしかない。

reve などの以前の型等は、中古市場に現れるのを待つしか無いだろう。フリマアプリ等での登場を待つしか無い。

定期的に、ペダルの情報を流しているので良かったらTwitter等もチェックしてみてください。

まとめ

遂に登場させました!鉱石モチーフのデザインなんてカッコいいですね。

ラピスラズリとかも、かなりインパクトあって良さそうですけどね。

Civil warのイメージが【白】なんでやっぱりそこは外せなかったです。

Youtubeの方はと言うと、需要あるかわからないですが個人的にワクワクするのが

【開封動画】だったので、買ったペダル片っ端からUPしていきます!

よろしくお願いしまーす! よすが

エフェクターのことを想うと夜も眠れません。 自分の好きな機材を好きなだけ紹介していきます。 何かの参考になれば幸いです。 いつもギターはJaguarを使ってます。 サウンドサンプルも基本的にJaguarです。
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