不朽の名作、現代に昇華。
名機ROSSコンプレッサーを元に、Nature sound.流にアレンジ。
深くかけても、いやらしさがなくどこまでもナチュラルで
現代のコンプレッサーの定番と言っても過言ではないと思う。
今回は、Nature sound.Vitage Series VRC(2014)を解剖していきたいと思います。
Nature sound. とは
薫田 福雄 氏がビルダーを務める国産ブランド。
設計製作ともに、岐阜県美濃加茂市にある「音の樹工房」で行われている。
「歴史と現代の融合を目指すエフェクターブランド」
をコンセプトに職人魂を感じる丁寧な作り込みで古き良きサウンドを現代に蘇らせる製品作りをしている。
使っているパーツがNOSのヴィンテージパーツのため、台数に限りが生じることもあり、今後もパーツがある程度揃わなければ再製作されることは無いとのこと。
最近では、『Zahnrad(ツァーンラート)』というブランドも始まり、こちらの方が馴染みが多い方もいらっしゃるかと思います。
Nature sound.譲りの高品質なエフェクターブランドで、外観が黒とシルバーの単色の塗装の物が多く、男らしい機体となっています。
『Zahnrad(ツァーンラート)』とは、歯車を意味しております。
付属品・仕様
箱、注意事項
付属品はこちらです。Nature sound.といえばこの箱が好きです。桐の箱というか手に馴染むようなしっとりとした手触りです。こちらは、2014年のモデルになり、2018年に再販された物は黒い箱に変わっていました。
VRC=[V]intage[R]OSS[C]ompressorの略と言われています。
LEDのカラーは、赤色。ノブが大型なのでとても触りやすいです。
それでは、様々な角度から
筐体のサイズ感、手に取った時の重さも丁度いい感じです。たまに中が入ってるのかわからないくらい軽いものよりも私はある程度重量感がある方が好きです。灰色の艶がある塗装になっています。この塗装は、ウレタン塗装なので剥がれにくいです。
それでは、裏蓋を開けたいと思います。
ネジを外して。
どどん。大変美しい組み込みですね。まず開けてみて感じたのは、「匂いが良い」です。なんでしょうね。香ばしいみたいなそんな香りがします。
基盤に、ハンダ付けをした時のが残っているのでしょうか。
2014年版は、私の他の記事でも多く取り上げている「ポイントトゥポイント」で仕上げられたものです。この配線の仕方が個人的には好きで、通常より手間のかかる手法なのでより職人の魂が感じられるというか、その方の人間性がよく出るのではないかなと思います。そう言ったものを使わせていただけるのは光栄ですし、自分の血肉の一部になるまで使い倒したくなります。話を戻しますが、Nature sound. の整然としたこのアッセンブリは、日本国内のハンドメイドでも一二を争うほどではないでしょうか。とても高品質なサウンドで定評があるのをご存知かとは思いますが、このアッセンブリを見ていただければより一層ご納得頂けるかと思います。
パーツ群を見ていきましょう
ROSS同様、コンプレッサーでは、定番と言われているRCA製のCANタイプ「CA3080A」が使われております。こちらを、使うことでよりスケール感のある開放感があるとのことです。のちのセッティングでも解説しますが、音の存在感、太さが顕著に出るなと感じました。他にも、「サークルD」や、DALE製のコンデンサーなど、NOS品を中心に組み込まれています。贅沢です。トゥルーバイパス仕様。
セッティング
「OUTPUT」、「SUSTAIN」の2ノブ構成
コンプレッサーでは、多くみられる2ノブである。
OUTPUT 音量を調節
SUSTAIN 音の圧縮具合調節。左に回すほど強くかかり強いコンプレッション感をかけることができる。
そして、先程の基盤を見ていただくと中にトリムが仕込まれているのがわかると思う。おそらく、インプットトリムと言って出力が高いギター等を繋いだときに、音が歪むのを調節できる機能だと思われる。ROSSコンプレッサーにもついてたようなのでそこまで再現されている。
2014年版は、1970年代後期のROSSコンプレッサーを参考にして作られていて、私自身ヴィンテージのROSSコンプレッサーに直接触れたことはないが、VRCを使ってみて実機が非常に気になっている。様々なメーカーがこぞって基にするエフェクターなので良い個体があれば手に入れたい。
まず、Nature sound.公式サイトの商品ページで
音楽的でナチュラル
深くかけても立体的、自然で滑らかなコンプレッションを実現します
nature sound 公式サイトより
とある。まさにこの通り。使ってみた感想としては、音が太く立体感がありハリが出ます。そして、SUSTAINのスイートスポットが広いと思う。OUTPUTのバランスさえとればSASTAINに関しては深くかけすぎてもそれがまた良いと感じる。それくらい掛かり方が自然。11時くらいの方向だとかけっぱなしでも使える。もともと、ROSSコンプレッサーは「Dyna Comp」をModしたものとを言われていて、VRCもSUSTAINを深くかけると少し近い感じはすると思います。アルペジオに映えるとかに使うと効果的です。一番驚いたのは、半分悪ふざけのような感じで深いディストーションをかけたアンプの前にVRCを繋いだら、音が整って非常に弾きやすいサウンドになり、こんな使い方もできるんだなとコンプレッサーというエフェクターの認識を改めさせられました。
VRCを機に、コンプレッサーとは究極のトランスペアレント系エフェクターではないかと思い始めました。
SUSTAINは、11時〜2時間で使うことが多いです。アルペジオが1時方向。カッティングが11時方向。っていうのが多いです。あとは微調整。
私は、Compは手元のピッキングニュアンスでつけるものだろうと思っていたので、ずっと使ってこなかったのですが初めてDyna Compを使った時に求めていたものに近いアルペジオの音が出来たので感動したのをよく覚えています。それから、いくつか試してVRCに辿り着きました。同じくROSSの回路をもとに作られた他のメーカーのものもあるので、後日、また記事を書きたいと思います。
サウンドチェック
準備中。
後継機種
2014年版の、大きなポイントとしては、「ポイントトゥポイント」で作られていたことである。一つ一つの手間がかかる部分が大きく、コストもかかるがそれ故、私は職人の魂が感じられるとは前途した通りである。
2018年版は、ROSS 1978年製 OUTPUT表記を参考にブラッシュアップされたモデル。「PCB基盤」を採用しているものの、大きなパーツの変化等は無く、薫田氏本人もホームページにて差がないように細心の注意を払っているとのことなのでサウンド面も大きな変化はないと思います。
使用ギタリスト
色々な方のボードを拝見しましたが、見つけることができませんでした。
もし使っている方がいらっしゃれば教えてください。
現在の入手経路
今回、私が紹介したVRC(2014)のモデルに拘るのであれば、中古でしか手に入らないのでフリマアプリ、オークションサイトをよく徘徊して欲しい。付属の箱と、基盤の画像が載せてあれば確実にわかると思います。2018年版は現在も、デジマート等で購入可能なので、コンプレッサーに興味を持っている方であれば、是非試していただきたい。初めてのコンプレッサーとしてもお勧めします。きっと、永くお世話になると思います。
まとめ
今回は、Nature sound. VRC(2014)についてまとめさせていただきました!
カッティングも気持ちいいですが、アルペジオの時がたまらないです。
コーラスと、リバーブを薄くかけるとそれだけで新しいフレーズが生まれる感覚があります。
コンプなんて使わないでしょ。と思ってる方は使ってみてください。色々エフェクターに触れた後に
コンプ使ってみると、沁みると思います。僕がそうでしたから笑
次回もまたお楽しみに!またね
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