入手困難、退廃的な幻の轟音サウンド。
発売すれば、即完売。オークション・フリマサイトでも、かなりの高額で取引される
入手困難な、幻のエフェクターブランド「Phantom FX」
多くのエフェクターフリークが求める、その実態とは。
今回は、極初期に作られた「Sabbath」を元に改良された
「Sabbath fog」について解剖していきたいと思います。
Phantom FXとは
戸高 賢史(ART-SCHOOL/MONOEYES/Ropes/Crypt City)氏が代表を務めるエフェクターブランド。
2007年頃に興し、そこから数多くのエフェクターを作り上げている。
現役のプロギタリストが作っているということもあり、そのサウンドは折り紙付き。デザインの懲りようも半端ではない。つい手に取ってしまうような、そんな魔力を持っている。
看板商品といえば、感受性の高い王道サウンド「Fluid」退廃的でダークなTS系トーン「Kowloon」エフェクタービルダー「Shun Nokina」氏とタッグを組んで作り上げた「Bells」など。
しかし、ご本人の活動が多忙になったこともあり、2013年頃からほぼ活動休止状態が続いた。その影響もあってか、高額での取引が相次ぎ、各所でも、復活を待望する声が続々と寄せられていた。ほんの6年ほどの期間であったが強烈な印象を与えた。
そして、遂に一部マニアの間で超絶な人気を誇る「Mother」が新しくデザインされ直し
2020年10月11日に「PEDAL SHOP CULT」より発売されたのだ。
これには、私も含めた多くのユーザーが歓喜したことであろう。
ファーストロットは、即完売。現在2ndロットの準備中とのこと。
再始動した今後が、非常に楽しみなエフェクターブランドである。
付属品・仕様
箱、説明書、配線材
内容的には、このような感じですね。他の機種だとピックとかステッカーとか入ってるものもあるみたいです。ご覧頂きお気づきの方もいらっしゃると思いますが、配線材が入っております。なんと、前所有者が戸高氏ご本人にMODして貰って付け替えてもらったようなのです。恐らくその名残りかと思います。
そして、実はこの個体
シリアルナンバー「-」なんです。極初期のプロトタイプだったと伺ってます。「Sabbath fog」も後継機種にMk.Ⅱが出てるので、この個体はなかなかレアかと思います。
箱の、情報はこんな感じでしょうか。Green.verの記載が載ってありました。シンプルで非常に洗練されてるイメージです。
続いて、本体に移りたいと思います。
LEDは、オレンジ色。筐体のカラーリングとも非常にマッチしてます。
続いて各面から
Phantom FX はデザインが非常に凝っています。Sabbath fogで言うと、鳥籠に入った鳥と歯車のデザインが印象的です。エフェクターボードに組み込まれていたら、すぐにあのメーカーだとわかるようなデザインを確立していると思います。
前回のFuzz Factoryの塗装同様、剥がれやすくなってます。経年劣化による塗装の色の変化もまた味わい深いエフェクターとなっております。
それでは、蓋を開けたいと思います。
ネジを外して
でん。トゥルーバイパスですね。他の機種では見られる、ホットボンドは買った時から剥がされていました。
裏蓋には、戸高氏のサインが。厳選されたパーツの数々が、他に例を見ない強烈なサウンドを生み出しているわけですね。
セッティング
それでは、Sabbath fogについて深く掘り下げていきたいと思う。
まず、基本的なコントロールとして
「90’」「fog」 の2ノブ構成
「90’」「fog」どちらも、独特な名前がつけられている。
90’ Gain&VOL
fog フィルター的な役割
といった、作用になっている。fogに関しては右に回してにつれ、その名の通り霧がかったように変化する。取扱説明書にも記載があるが、可変域が幅広いFuzzです。Muff系の分類に入ると思いますが、Muffより音抜けが良いのでソロ等でもしっかり存在感を出せると思います。
Youtubeにも、ご本人のインプレッション動画があるので転載しておきます。NIRVANAなどのWetでdarkな曲にはハマると思います。
この、エフェクターの特徴としては出音が早いです。fogの成分が絶妙に絡み、幅広いサウンドを作り出すことができます。リフものとか、後段にリバーブを深めにかけてアンビエントな曲とかも合いそうですね。個人的には、曲初めがリフから始まるもの、前半にかき鳴らしたあと、単音のフレーズのソロを弾く時になど、ここぞ!と言う場面で使うことが多いです。他の楽器との掛け合いも組み込みながら効果的に使えるように意識してます。90’ノブは、会場の規模等に合わせて変えるので指定はしてなかったですが、fogに関しては11時の方向で使うことが多いです。ボードの場所もとらないので組み込みやすいペダルかと思います。
サウンドチェック
準備中
後継機種
「Sabbath」→「Sabbath fog」と正当な進化を遂げきました。
Sabbathは1ノブ構成のFuzzエフェクター。Sabbath fogになってから、TONE調整のような fogが加わりました。
そして、「Sabbath fog Mk.Ⅱ」と言う後継機種が発売されております。
同じサイズの筐体に「Sabbath」と「Sabbath fog」の2つ分の回路が搭載され、スイッチの切り替えで使い分ける贅沢な一台となっている。1ノブだった初代SabbathにもTONE調整の機能がついた。まさに、一度で二度美味しいと言うやつだ。パーツももちろん厳選したNOSを使ったモノとなっている。私のと比較してみたい。初代と、MK.Ⅱを並べて。
使用ギタリスト
- 戸高 賢史(ART-SCHOOL/MONOEYES/Ropes/Crypt City)
「Sabbath」はONE OK ROCK toru氏のボードに確認されたことがある。東京事変のギタリスト浮雲氏も「Hizumi station」と言う3chの戸高氏制作のエフェクターを愛用している。このことから、感度の高いギタリストは所有してると思われる。
Sabbath fogに関しては、見つけることができなかった。実際に使っている方がいれば教えていただければと思います。
現在の入手経路
現在、製造は前途した「Mother」のモデルしか確認されていない。Sabbath fogは、オークション・フリマサイトで出てくるのを狙うしかないであろう。高額で取引されているのは、戸高氏本人も頭を抱えている問題ではあるが、その価格を払ってまで買う熱狂的なファンがいることもまた事実である。所有している方が近くにいる場合は、是非音を出してみて欲しい。
まとめ
今回は、幻のエフェクターブランド「Phantom FX」の「Sabbath fog」について書かせていただきました。
情報が少なく謎が多いブランドなので、そこがまた価値を上げている要素だと思いました。
私のまとめも皆様の何か参考になればと幸いです。
Motherも入手して、比較してみたいな。
今後が非常に楽しみなエフェクターブランドです!
また、次回もお楽しみに。
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