伝説のヴァイオレットラムズヘッドを徹底解析・完全再現。
国内外問わず人気を誇るエフェクターブランド「September sound」
ただ、店頭などで並ぶことは少ないため知る人ぞ知るといったようなブランドであることも確かだ。
Electro-Hamonix 社製の BIG MUFF をモデルにしたエフェクターを多く製作しており
そのサウンド・クオリティ・再現性どこをとっても秀逸なブランドだと私は思う。
今回ご紹介するのは、もはや伝説と化してきているオリジナルヴァイオレットラムズヘッド(印字のロゴが紫色のため)
September sound が所有する一台を徹底的に解剖・研究をし製作されたモデルで元に製作された一台。
数多く製作されたモデルの中でも評価が高く、私も愛用しているのが
「VIOLETTA」
というモデルである。発売時にはほぼ即完売。パーツの確保が難しいため少数ロットでの生産・限定モデルとして発売されており
近年では滅多に出てこない希少なペダルですが、本機又はBIG MUFF系 ペダルを買う際の何か参考になればと思います。
付属品・仕様
箱、説明書、袋、保証書
同梱物は至ってシンプル。強いていうならば、あとは梱包材。説明書はモデルごとに、その筐体のイラストが描かれているので個人的に好きなポイント。あと、新品で手に入れる機会が少ない為、Usedで購入した時付属品の「袋」が付いてたら結構嬉しい。
それでは全体をご覧ください。
フルサイズの筐体に、ヴァイオレットを意識した紫色の印字。完璧です。
いつもながら上部のスイッチ類はゴツいですね。こちらの個体はガンガン使っているので若干擦り傷等が目立ってきました。
ポット類もオリジナルと同じくバラバラです。しかも、筐体が結構ぎっしり中が詰まっているので重量感があります。
裏面のマジックテープくらい貼らないと、粘着力が負けて落ちてきます。これだけ貼ってても暑いところなどに置いて放っておくと
また剥がれてたりするのでダブルロックファスナーとかの方が安心かもしれないですね。
ON-OFF
スイッチのLEDは赤色。
オリジナルはLEDが付いていないのでON OFFの挙動がわからなかったが、VIOLETTAはそこの弱点もカバーしている。また、外観を損なわないよう、前面で4点留めしているネジの左上のみをスケルトンのネジを採用し、その下部にLEDを仕込むという秀逸なアイデア。
September sound のロゴマーク。何を表しているのか今度聞いて見たいですね。
梵字については以前ご紹介したSeptember sound の記事にて解説してます。
それでは中を見ていこうと思う。
前面のネジを外して
パカーンと。相変わらずぎっしり詰まってます。
LEDが裏蓋の方に付いているため、配線の着脱が出来るような設計になっており、その際極性を間違わないように配慮がされている。
基盤を外すのが、大変なためこの角度からになって申し訳ないが
クレジットとサイン、そして、「May the fuzz be with you」の遊び心あるキャッチコピーである。蜂のイラストが可愛らしい。
実は、近年では2回発売のタイミングがあり、1回目は2019年、2回目は翌年2020年に製作されておりどちらも即完売だったようです。
どちらとも私は所有しておりますが、サウンドに違いはなく2020の方は予備としてストックしている次第です。
同時期に、 Lilas L700 Distortion Sustainer というOEM生産で作られていたLyle L600 Distortion Sustainer をSeptember soundが再現したモデルも発売されておりましたが、そちらはVIOLETTAより少し中音域が出る個体みたいです。こちらも現在は販売されておりませんが、ペンギンリサーチというバンドのギタリスト神田ジョンさんが使用されており、つい先日シグネイチャーモデルとして真っ赤な筐体が印象的な Lilas L700 Distortion Sustainer JK として発売されておりました。
また、亜種としてDark side といった真っ黒なVIOLETTAが発売されたのも記憶に新しいですがそちらの方がサウンド的にはノッペリとしていて張り付くようなディストーションサウンドが特徴的でした。
Lilas L700 Distortion Sustainer は買うタイミングを逃してしまったので、いずれ入手した際にはまたブログで取り上げたいと思います。
残念ながら、トランジスタの型番は剥がされており確認はできなかったが、73年製のヴァイオレットだと、2N5133・FS36999 の特性に近いもの、もしくはそれらが使われている可能性が高い。 お馴染みのAllen-Bradley TRWなどNOSパーツが贅沢に使用されており、パーツ類の全面が気になる方は、September sound の公式Twitter で見られるのでそちらも参考にしてほしい。
サウンドチェック
それでは、サウンドチェックです。
先ほど、全体図をご覧いただいた通りスイッチが多いので、私の普段使ってるセッティング例写真でご紹介します。
Fuzzと聞くと、荒々しいサウンドを想像している方も多いかと思うが、非常にクリーミーなサウンドが本機の特徴だと思う。
恐らく、リファレンス用に準備されたモデルの特徴をそのままインストールしているのだろう。
私はHybrid mode のバリバリっとしたサウンドが好きなので、基本的にはこの使い方が多い。Boostスイッチも他のペダルでGainを足すセッティングにしているのでOFF。他のSeptember sound のペダルを扱うときもこのセッティングが多い。TONE と SUSTAINについては結構弄ったりするがこの付近が多い気がする。
私が普段使用しているTS系のODとも相性が良く、ブーストさせるような使い方もできるがVIOLETTAには既にブーストスイッチが内蔵されているため単体で使うことが多い。安定していて、とても扱いやすく重宝している一台。トランジスタの型番は確認できなかったが、2N5133 or FS36999 のその物かそれに肉薄する近いパーツのサウンドに仕上がっているのだと思われる。
ただ、ブーストスイッチは凶暴性があり設定をちゃんと見ないでONにした場合スピーカーが飛ぶくらいの爆裂なサウンドが出るので
ここは注意が必要だと思う。ブースト自体は、サウンドを飽和させず自然な形で全体の音量を上げてくれる感じです。
もちろんスイッチングの設定次第では、Fuzz Faceのようなギャリっとしたサウンドや、ややゲート掛かったブチブチなサウンドを作ることも可能。Fuzzサウンドに万能に使える一台かと思います。
私自身がオリジナルのヴァイオレットを試したことがないので、比較としての説得力はないが
他のレプリカモデルとは一線を画している一台だとは個人的に思っている。
難点を挙げるとすれば、やはり筐体の大きさだろうか。
昨今のミニボード需要には合わない代物だが、私はフルサイズだから出るサウンドがあると思っているのと
やっぱりBIGMUFFはこのサイズでしょ!と思ったりもするのでデメリットには感じないが。
それと、ケンタ系・バッファー搭載のペダルはあまり前段に適していないと思う。
Fuzz系のペダルにはありがちだが、少し篭ったようなサウンドになる。凶暴性が削がれるというか。
そのサウンドが好きとかでなければ、このペダルの後段にセットするのが良いだろう。
オリジナルは個体差激しいので結構運があったり、良いものはもう既にコレクターの手に渡っている他、近年では高騰が激しいのでなかなか手を出しにくいモデルではあるものの、安定した品質でこのデザインセンスを何分の1かで買えるのであれば十分だろう。
もちろん安い買い物では無いが、一台一台価格以上のものがあると私は思っている。
オリジナルをガンガン使うといった拘りもかっこいいと思うし、オリジナル主義を否定するわけではないが
こういった品質の高い予備を備えておく、もしくはオリジナルを使うのを躊躇ってしまう方などは間違いなくベストチョイスになるだろう。
入手経路
定価 ¥80.300- (同時期に発売された、Lilas L700 がこの価格だったので前後するかもしれない)
現在、市販はされてない。
September sound に直接問い合わせるか、中古市場に出てくるのを待つしかないだろう。
ただ、NOSパーツも贅沢に使用されていることから、数が揃わなくては生産もなかなか難しいと思う。
実際、海外サイトなどでは既に倍以上の価格で取引されるなどその人気ぶりが伺える。
なので、現れたなら間違いなく買いでしょう。
まとめ
今回は、「September sound VIOLLETTA(Build by 2019)」についてまとめてみました!
個人的にお気に入り中のお気に入りのfuzzなので見かけたら即買いは必死かと思います。
オリジナルも良いんでしょうけど、自分はVIOLETTAで十分満足しちゃってますね。
みなさんも見かけたら即確保してください!
それでは、また!