漆黒の筐体に身を包む、轟音のナイトメア再び。
Phantom fx が 2007年に初のペダルとしてリリースした「SABBATH」
PEDAL SHOP CULT とのコラボレーションにより「SABBATH Black Gaze」として限定復活を遂げた。
多くのファンが待ち侘び、そしてPhantom fx 主宰の戸高氏としても大切にしてるであろうこの機種は
NOSのパーツ確保が困難なため、約150台前後の限定販売となっており
転売防止のためにも、前回のMOTHER 同様 抽選での購入権利の獲得となっている。
MOTHER発売から、およそ2年越しの渾身の新作。
今回はSABBATH Black Gaze(以下:SABBATH BG)を解剖していきたいと思う。
付属品・仕様
箱、ステッカー、説明書、保証書
前作のMOTHER 同様 茶色の化粧箱に入っていた。ほか、Twitter 等で見かけたSABBATH BG のステッカーが付属。
保証書が思いのほか、箱に侵略され見えずらくなっているのはご容赦ください。
前作のMOTHER の箱と比較してもこの通り。後程、大きさの比較画像を載せるが横幅がスタイリッシュになっているのもあってか
若干MOTHERの方が箱が大きくなっている。
それでは全体をご覧ください。
セミグロスで仕上げられた、漆黒の筐体がなんとも禍々しい死神感が強く
またプレートの部分の刻印が青くなっているのもナイトメアを助長しているような印象を受けました。
ON-OFF
LEDは、プレート刻印と同じく青色。発色が強いので、LIVE中の視認性もすごく良さそうに感じ、ここら辺は戸高氏がプレイヤーということもあり、現場向きに感じますね。
新作から引き続きこのプレートを採用しているの僕は好きですね。活動休止前の凝ったデザインやカラーリング違いなども面白味がありましたが、より洗練されて帰ってきた感じがします。シリーズ通してこの仕様で行くのかも楽しみですね。
個人的にも、初めて買った Phantom fx のペダルが SABBATH 系列の一台だったのでとても思い入れがあり
今回のリリースをすごく楽しみにしていた。デザインの時点期待を超えてきて感動している。
前作MOTHER との比較はこのような感じ。縦と高さは同じですが横幅がスタイリッシュになりました。
2作横に並べた際の隙間がなくハマってる感じは快感です。ペダルトレインなどにも組み込みやすそう。
一点残念だった点を動画にしてみましたのでよろしけばご覧ください。
それでは中を見ていきましょう。
ネジを外しまして。
パカーンと。整然とされたレイアウトですね。
今回は、過去作の Phantom fx の作品で見られた ゴーストが裏蓋の内側の方に描かれていました。
個人的にこのイラストが好きなので毎回描いてほしいです。
9V電池はモノタロウの物になっていました。コスパとか考えるとこちらの方が勝手が良さそう。
トランジスタが4石、アレンブラッドリー・DALEのコンデンサーや、ムラードのマスタード、トロピカルフィッシュ等のコンデンサーがギッシリが整然と並んでおり、ユニバーサル基板を用いた完全ハンドワイヤリング。
リファレンス用に、PEDAL SHOP CULT のショップオーナーである 細川氏が所有する Sabbath Russian が基となっている。
Russian と名のある通り、ベースはロシアンビッグマフを踏襲したものになっていると思われる。
私の所有する、SABBATH Fog もその後の ロシアンの原型になるように作られたものということなのでもしかしたら、サウンドの特性は近いもしれない。
更に今回の大きな特徴の一つが基板右上に配置されたトランスを用いたピックアップシュミレーション回路です。
本来、Fuzzペダルはインピーダンスなどの関係上、システムの先頭などに配置されることが多く特に直列配線などで構築する際に場所が限定されることが多いのですが、この回路により従来のFuzzペダルのの弱点であったその部分を改善しており、システムのどこに配置してもSABBATH BG本来の動作をすることができるようになっているとのこと。
内部にはTrebleを調節するトリマーがついており、サウンドの微調整が可能。
後程の、サウンドチェックでも解説するが右に回すにつれ若干高域が足され倍音感が加わるような気がしたが、あくまで微調整の範囲。そこまで大袈裟な変化は感じなかった。
トランジスタは4石のFairchild 2N5458 Proco RATなどにも2N5458は採用されているのだそう。それと缶タイプのBC108 が2石。
もう一石がうまく確認できなかったが、同じく2N5458 か 付随する トランジスタが採用されていると思われる。
確認できそうならば、また追記する。
サウンドチェック
それではサウンドチェックです。
1ノブのシンプルな構造なので何も迷うことがありませんね。
サウンドは、踏んだ瞬間からガッと何かが飛び出してきたように錯覚するほど
出音が早く、そして太い。無尽蔵のフィードバックが気持ち良すぎる。
特に、ピッキングに喰らいつく感じがかなりゾクゾクしますね。音量感はかなり大きくノブを少し上げただけでもうアンプがヒイヒイ言う。
Gain MAX だと爆撃機のような凶暴なサウンド。MAX付近は自分は使わないですね。
私はギター本体のボリュームを7〜8くらいまで少しVol.絞って使うサウンドが好み。ボリュームへの追従性もよく、低音が少し落ちてFuzzというより、ディストーションのようなスムーズ感がありすごく弾きやすいサウンドになります。
中のトリマーを弄るときも、少しギター側のボリュームを落として調節するとわかりやすいと思います。
ただ、なんでしょう。サウンドに、透明感というか爽やかな感じもするんですよね。良い意味で言ってます。
所有していた、SABBATH Fog と比較したところ驚くことにサウンドの傾向はとても近いものがあり、筐体の素材の違いからか BGを弾いた後だと、fogの方はかなりロシアンに近い感じのサウンドで少し籠っているように感じるくらい。 BG は 一皮剥けたようなクリアさがあり、轟音の中に金属的なカンカンとした芯があるサウンド。
ロシアンマフへのリスペクトを感じつつ、現代のニーズにマッチするようサウンドクオリティ・タッチレスポンスを更に向上させ仕上げてきました。これ作るのに吐血するほど苦労しただろうなと察しました。
ただ、断言しておきますと 決して万人ウケするタイプのペダルではありません。こんなのどこで使うの?みたいに思う人が多いと思います。
ちょっとノブを回したら大きい音出るし、ノブも一個しかないし、ヒョーヒョー鳴ってるし。他のFuzzペダルを使った方が汎用性は圧倒的に高いと思います。
でも、これがSABBATH 私たちが待っていたサウンドなのです。
飼い慣らしきれないような強烈な個性を持ったペダルと戦い、我がものとしたいのです。
今作は、 弾けば弾くだけ音の渦に引き込まれていくような強力なサウンドに加え
1ノブという潔い構成だからこそ、奥深い。弾き手がどう弾くのかを試されているような
そんなペダルの深淵を SABBATH Black Gaze にのぞかされた気がします。
入手経路
定価 ¥48,400-( in tax)
SABBATH Black Gaze はリミテッドモデルのため生産台数が限られている。
150台前後の限定生産品と今のところなっており、今回私が入手した初期ロットは
およそ50台前後ほどの出荷と公式でアナウンスがあったので、第二弾・第三弾までくらい抽選の可能性があるだろう。
取り扱いは、PEDAL SHOP CULT のみ。応募は1世帯1回までとなっているの注意しよう。
まとめ
今回は、Phantom fx SABBATH Black Gaze をまとめてみました。
相変わらず強烈な個性あるサウンドで痺れました!
あの倍率の中で手に入れられて本当によかったなーとしみじみ感じました。
皆様がどう感じたかも教えて欲しいですね。
それでは、また!
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