新たな歴史の始まり、太母の鼓動
2020年より再始動された「Phantom fx」
復活したことによる反響は大きく、狼煙となった第一弾
「MOTHER」は即完売。後にウィッシュリストが準備され
CULTに入荷のたびに、購入する権利が回ってくるような状態になった。
それもそのはず、Phantom fxのペダルの中でも特に異質かつ幻のペダルとしても
名高く人気を誇っていた「MOTHER」が発売されるとなれば、ペダルフリークたちは黙ってはいないのも頷ける。
今回は2020年に発売された Phantom fx MOTHER について解剖していきます。
2012年モデルのMOTHERのレビューは こちらから。
付属品・仕様
箱、ステッカー、替えのゴム足、説明書
既にゴム足は付けられているが、ボードに組み込む際に取ることが多いので予備が付けられているのは嬉しい。
LEDは白色。ノブカラーはブラウン。
それでは全体をどうぞ。
以前の機種とは異なり、シンプルなデザインで一新されている。
シルバーとブラウンを基調としたその佇まいはスタイリッシュなイメージを受ける。
筐体の大きさはProco RAT ほどの大きさ。ジャック等も上部に纏められている。
活動休止前の筐体はMXRのサイズのものが多かったのと、デザインも遊び心に溢れていたが
洗練され削ぎ落とされた美しい筐体となった。どことなく看板にも見えるプレートもビス留めされているなど、こだわりは相変わらずのようだ。フットスイッチも筐体とノブなどを考慮して高さを決めてあるようで、若干低めのスイッチになっている。
それでは中を見ていきましょう
ぎっしりと詰まった、コンポーネント。PCB基板を用いず一台一台手作業で作り上げられている。
復活してから、戸高さんとEgawa氏の二人で制作がされているようでその両氏のサイン。
そして、圧巻のPtoPの基板である。所狭しと詰められたパーツ類だが、無駄なく配置されむしろ整っているようにも見える。
配線の仕方もこだわりが見られ、フットスイッチには、配線が垂直になるようにハンダ付けされている。
To-92型のトランジスタはやはり型番が削がれていた。一個一個丁寧に選別され同じ定数で作られているとのこと。
ドーム型のトランジスタは2N5133が採用。BIG MUFFなどでも使われている型番。
最初期の個体から、部分的にパーツが変わっているようだがそこまで大きなサウンドの違いがないと本人も仰っておりました。
貴重なNOSのパーツを使っていることからも、今後も安定して製作される保証はないので気になっている方は早めに入手した方が良いだろう。
缶タイプのトランジスタは2N2222。これは初めて見ました。
サウンドチェック
それではサウンドチェックです。コントロール部分はVol.Shape.Gainの3ノブ編成。
非常に上品なファズサウンド。太く、クリーミーなサスティーンが魅力的で、真ん中SHAPEのノブがいい塩梅に効いてくれるのでお気に入りのサウンドもすぐに見つかると思います。Fuzzにしてはローノイズなのも高評価。ボリュームの追従性もよく、リニアに反応してくれます。
分離感が良いので、歪んでいてもそこまで強く歪んでいるように感じられないのでドンシャリを求めている人は少し物足りないかもしれません。BIG MUFF 系に比べると、歯切れが良く立ち上がりも早いのでMUFF系が苦手だった方も扱いやすいと思います。
他のペダルとスタックさせても扱いやすく、少し粒立ちを粗くしたければBD-2、そのまま上品なテイストでブーストさせたければTS系がベストチョイスかと思います。
PETE CORNISH P-2 ファズがモチーフにされているとも言われておりますが、P-2を試したことがないのでなんとも言えないですが、上品にしたMUFFサウンドという事では、近い部分はあるかもしれません。
そこまで強い個性があるわけでは無いですが、汎用性が高く、あらゆるシーンに使える現場向けのペダルとでも言うのでしょうか。
平均点を取れるこういったペダルは1台あれば重宝されると思います。優等生バリに難題をクリアしてくれそうです。
以前ご紹介した、MOTHER 2012ともそこまでサウンドに関して大きな変化はないのでプロダクトとして当時から既に完成していたのだろう。
入手経路
現在は、Pedal shop CULTのみの取り扱いの為ウェイティングリストに登録しておくと何ヶ月か待ちで購入することが可能。
以前に比べ中古市場も落ち着いてきたため、そちらもチェックするのもアリかと思う。
まとめ
今回はPhantom fx MOTHER (2021)をまとめてみました!
約1年くらい待って手に入れた、思い入れのある一台です。
Sabbath fog を書いてた頃には手に入れる気満々で下書きリストに作っていたんですけどね。
あれから時間が経ったものです。なぜか途中にMOTHER 2012も手に入れてしまったんですが嬉しい誤算でした。
また新しいペダルが発表されそうなので今後も目が離せませんね。
それでは、また!