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世紀の問題作。凶暴的な変態系エフェクター
世界三大Fuzzと言えば、と聞かれると
「Big Muff」「Fuzz Face」「Tone Bender」
この三機種になるかと思う。現に数多くのペダルメーカーからこの三機種をモデルにした製品を見かける。
その中でも、とりわけ異色を放つFuzzがある。それが「Fuzz Factory」だ。
本日は、そのFuzz Factory について迫っていきたいと思います。
Z.VEXとは
鬼才、Zachary Vexがデザインするエフェクターブランド。
特徴としては、やはり見た目の派手さ。今回紹介する一台はHand Paintedというカスタムモデルで、一台一台塗装がされていて、Vexter Seriesとは違うラインのものである。そのアーティスティックなペイントされた機体+同じデザインでも塗装のムラだったり若干違う部分があるので、ワンオフ感があり所有欲を満たしてくれる部分もマニア心をくすぐられます。オリジナルモデルの、ペイント担当はJason Myrold氏。
そして、音の斬新さ。これほどまでに、過激でインスピレーションを刺激するサウンドがあっただろうか。出してくるエフェクター1台1台が「そう!こんなのが欲しかった!」と思うほどセンスが秀逸。「Box of Rock」「super hard on」「seek wah」 などの代表作は、人一倍サウンドにこだわりを持つギタリスト のボードの中にも堂々と鎮座している。その中でも、常軌を逸した狂気的サウンドで多くのギタリストを虜にしてやまない「Fuzz Factory」その片鱗をご紹介したいと思います。
世紀の失敗作「Fuzz Factory」
元々、Fuzz Faceを作ろうとしていて、その過程で足りないことを補おうとあれこれ足して出来たものが「Fuzz Factory」という話は有名な話である。確かに、セッティング次第では、Fuzz Faceみたいな音も出る。しかし、発信させ、ノイズの嵐の中に入り込むのがやはり一番気持ち良い使い方だと思う。あの時間は他には変え難い無敵の時間だと思う。Fuzz Factoryについての前置きはこれくらいにしておいて、早速細かな仕様について見ていきたいとおもう。
付属品・仕様
箱、「説明書」、布、「細工のついたゴム」
「」で閉じたものは、本来入っているはずの物です。他のサイトの写真等を見て、付属品の内容から書き加えた物です。
私のは、代わりにACアダプターでも駆動できるように別売のプレートが同梱されておりました。普段は電池駆動で使用していますが、あると安心しますね。材料にもなるので。ゴムについては、エフェクターを包んでる布を固定させる用途でしょうか。髪留めがわりにしても良さそうだと思います。
まずは前面。このポップな自体が良いですよね。触ってみるとボコボコしていてペイント感があります。色も、深いエメラルドグリーンで高級感もあります。このペイント、記念モデルなど特別な仕様のものも多く出ています。中には1OF1と言った一台しか発売されてないものもあるので非常に所有欲を満たしてくれます。「Laura Bennett」というデザイナーの方が描いた仕様のペイントがとても魅力的です。
様々な角度から見てみました。お気づきの方も多いかと思いますが、LEDはありません。アダプタを指す口もありませんので、前途した通り電池駆動のみです。私は電池でしか使わないので特に気になりませんが、アダプター使いたい方は先ほど、付属品で紹介した右側に裏蓋のようなものに線がついてるパーツがあると思います。配線を少し弄る必要がありますが、それを繋げるとアダプターでの供給も可能となります。LEDがないので、スイッチャーとかに組み込むときは気をつけないと、ソロでかましたい時に着いてなかったなんてことにもなりかねませんので注意してくださいね。改造で、増設してる方もいるのでお好みでどうぞ。
見た目的には、緑と金色って合いますね。ゼルダの伝説のリンク感があります。好きです。
上面のZ.VEXのロゴが惑星みたいでかっこいい。細かいところにもペイントがされていて、手が込んでいます。初期のHand Paintedは、非常に塗装が剥がれやすいです。少し後にクリアが吹かれるようになったみたいですが。これはこれで、使うほどに自分だけの一台に仕上がっていくので良いのですが。
そして、Fuzz Factory
ノブ間が狭いのでホコリが溜まりやすいです。先ほどからの画像気になってる方いたかと思いますが、ここで掃除してあげたいと思います。もちろん、この為に溜めていたんです。←
こんな感じでノブを外して、クロスで拭くか、お金に余裕がある方はエアーダスターで掃除してあげるのがいいと思います。
掃除後がこちら。
エフェクターは綺麗な方がいいですよね。定期的にエフェクターを点検がてらジャックとか掃除してあげると、トラブル防止と愛着が湧いてるくるので練習の時間を少し割いてでも、してあげた方がいいと思います。
それでは、早速中を見ていきたいと思います。
マジックテープの下にはシリアルナンバーが書かれていました。なぜこんな貼り方をしてしまったんだろう。剥がすのが怖い。
ネジを外して
はい、開けました。電池はDURACELL愛用。エリックジョンソンはこの電池が無ければ演奏を断るくらい愛用していると記事で読んだことがあります。それから、素直な私はこの電池ばかり使っています。
さてさて、これが噂の「蛇の目基板」でございます。初期ならではの仕様で、PtoPで作られたもので現在はPCB基板が採用されています。
にしても、こんな少ししかパーツを使っていないのに、あんな音がでるのが信じられないですね。
私のは、円柱状のトランジスタがついてますね。これより前のものは、スパム缶とも呼ばれるトランジスタがついておりました。
セッティング
それでは、FUZZ FACTORY について深く掘り下げて行きたいと思います。
まず、基本的なコントロールとして
「Vol. 」「Gate」 「comp」 「Drive」 「Stab」 の5ノブ構成
Vol.音量調整
Gate 右に回すほどに、ゲートが強くかかりブチブチしたファミコンサウンドになります。これ好きです。
comp 音を補正します。強くかけたらシンセっぽく聞こえます。
Drive 歪み量を調節します。基本的に、強めにかけた方がかなり気持ちよく弾けます。
Stab 発信音程を調節します。右に回すほどに、音程が高くなります。Octaviaっぽくも再現できます。
Fuzzというエフェクターは、Vol.とGainの2ノブタイプが基本的に多く、中には1ノブの物なんかもある、シンプルイズザベスト、余計なものなんていらないと言わんばかりの漢気溢れるエフェクターである。シンプルだからこそ、すごく奥深いエフェクター だと思う。本当に上手いギタリスト ほどFuzzを上手く使いこなせてるイメージがあります。
そんな中、5ノブとは。流石Z.VEX。
特に、「Stab」これが非常に癖のあるコントロールである。ピッチをコントロールしてを、キーキー言わせることも、ゴーゴー言わせることも出来ます。高い音がなっていた方が個人的には気持ちが良いので右寄りに回すことが多いです。
使い方としては、私は2パターンで使用している。
発信させ、飛び道具的に使用するサウンド。これはソロに使ってもいい感じになるので兼ソロという感じ。
ファミコンのソフトBGMなど、16bit音源のサウンドが好きなのでゲートとコンプを強めにかけ「ブチブチ」と言ったようなサウンド。
ゲルマニウムトランジスタは、気温などにも影響を受けると言われるほど繊細なコンデンサーなので、私のセッティング例の画像を載せても恐らく違ったものになってしまうと思う。後述している、サウンドチェックで実際に聴いていただいて参考にでもなれば幸いです。
そして、Fazz Factory はセッティングがシビアだと思います。リハでは良い音だったのにちょっと位置がずれたら本番全然違う音になってたりとか私もありました。メモるなり、位置に印を付けるなり、工夫が必要かと思いますが、使いこなせさえすれば唯一無二の最高のサウンドを手に入れることができます。スタジオにこもり、じっくりと向き合いましょう。バンドメンバーにも、嫌な顔されても、めげずに頑張ってください。
サウンドチェック
シリーズによる違い
Z.VEXのエフェクターには、「Hand Painted」「Vexter Series」の二種類がある。
Hand Paintedモデルは、たまに、10周年記念とか、特別仕様のものもでることがある。ただ、高価です。
Vexter Seriesモデルは、価格が抑えられてるいわゆる廉価版。オリジナルと重要なパーツ同一で、塗装がシルクスクリーンであったり、基板PtoPではなくなってたり仕様が変わる。その為、サウンドも系統は同じだけど太さなどに違いがあるみたいです。その分、少し扱いやすいとのこと。手軽に、サウンドを楽しみたい方向け。
これも、手に入ったら比較動画出したいなぁ。
いろんなFuzz Factory
先ほど、書いてたFuzz Factoryに更に低音感を足した「Fat Fazz Factory」なるものが存在します。Subスイッチがついており、それぞれこんな感じで音が変わる。
- レベル1がFuzz Factoryと同じサウンド
- レベル2がよりファットなモード
- レベル3が最もファットなモード
トーンの幅と、ロー感が強くでるとのことですね。気になる。
そして、発信音を自分の足元で変えられる「FUZZ PROBE」
金属パネルに足をかざすと、ウネウネしたサウンドを得られます。相当エグい音が鳴ります。
更に更に、進化させたフラッグシップモデル「Fazz Factory7」というものが存在します。このモデルは、ノブが更に増えて7個です。正気の沙汰ではありません。更に、フットスイッチも追加して、プリセットトーン的な使い方も出来るようになってます。NOSの1956年製のAmperex製ゲルマニウム・トランジスタという超貴重なパーツを使用している為、無くなり次第終了が終わってしまうそうです。真ん中に、丸く枠取られていて中のパーツが光っているのが見える、にくい仕様となってます。ここまで、手を出したらあなたは立派な狂人となっていることでしょう。欲しいなあ。
近年では、Fuzz Factoryに縦型のモデルも発売された。これでより、ボードを組む時の選択肢が増えたことになる。デザイン製も変わってくるのでそこは好みの問題になるだろう。
使用ギタリスト
- ジョンフルシアンテ (Red Hot Chili Peppers)
- 生形真一 (ELLE GARDEN/Nothing’s Carved In Stone)
- SUGIZO
- 内藤DURAN晴久
- 西川進
- MIYAVI etc…
Fuzz Factory 使用アーティストはまだまだいます。それほど、魅力的なサウンドがでるエフェクターなのです。人によって、使い方が全然変わるのも面白い。変態的な音が出てると思ったら、その人の足元にはこいつがいるかもしれません。
現在の入手経路
楽器店でも、Vexter Seriesはよく見かけますね。デジマート、サウンドハウス、楽天などネットでも置いてることが多いです。Hand Painted に関してはどのデザインを狙うかで変わってきますね。デジマートでも売ってますが、一番人気の緑色はフリマサイトとかの方が出会える確率は高いかもしれません。
まとめ
今回は、Fuzz Factoryについてまとめてみました!
Fuzzってシンプルが故に奥が深いようなそんな哲学的なことを考えてしまいますね。
使い方によって、Fuzz Factoryは前途した、変態的なサウンドから、王道的なクラシカルなサウンドまで網羅しているので
正に「Factory」の名を冠するに値するエフェクターだと思います!ピッキングやスケールの使い方も、もちろん大事なスキルですが
時には、エフェクターから刺激を貰ってもいいと思いますよ。またね。
「Z.VEX FUZZ FACTORY(Hand Painted)」への1件のフィードバック