コンプレッサー界のジークジオン
コンプレッサーのペダルといえば、必ず挙げられるのは Dyna comp
多くの名盤でその音が収録され、私たちも意識はせずともその音を聞いてるはずだ。
独特なパコンパコンとしたかかり具合が癖になる中毒性の高さもあり、今なお人気のあるペダル。
ブロックロゴ期と呼ばれる、81年製のDyna comp について解剖していこうと思う。
付属品・仕様
こちらは本体のみで入手した。一個だけMXR製品でお馴染みのノブにはめるゴムだけはついていた。
LEDは赤色。変換プラグでミニピンタイプにしなければいけないのがビンテージっぽさを感じる。
それでは全体をご覧ください。
赤い筐体がとてもキュートなルックスの本機。赤い彗星と称されてもおかしくないくらい、赤が映えている。
ザラザラとした筐体の質感と、ずっしりとした重みが何とも良い加減。この個体は赤も少し色褪せ程良いビンテージの貫禄が出てきています。
年代の割に状態も良くサウンドも太く艶やかなサウンドをキープしております。
それでは中を見ていきましょう。
クリーム色の基板が印象的な内部。だいぶ、劣化している箇所もありますがご愛嬌。
オペアンプの背面は剥がされておりますが、定番どころで行くとCA3080あたりでしょうか。
以前ご紹介した、Nature sound. VRC は缶タイプのCA3080が採用されていました。
しっかりと、137(CTS社の番号)81(製造年)21(何週目に生産されたか)
Potの番号からも81年製であることが推測されます。近年では、このブラックロゴ期も高騰が見られおいそれと購入はできなくなってきてますね。エフェクター界隈も恐ろしくなってきました。
サウンドチェック
それでは、サウンドチェックです。
コントロールは二つだけなので、そこまで音作りに困ることはないでしょう。
SENSITIVETYというノブを上げれば、コンプレッション感が強くなるのでOUT PUTで上手く調節してやるといいと思います。
サウンドはあーこれこれって、遺伝子レベルでそう思わせてくるようなコンプサウンド。緩いカッティングとかすると、すごく気持ちいいですね。ROSS系のコンプは無骨さと煌びやかさがあり、個人的に優等生なサウンドなんですが、Dyna compは隙間があるような感じがして、そんな肩肘はらず気楽に行こうぜって緩さがあるようで好きなんです。回路的には、ROSSコンプが Dyna compをモチーフにしているようですが、キャラクターも異なるので面白いなと思います。カッティングもそうなんですが、私はアルペジオも美味しいなと思いました。減衰する感じにDyna compのキャラクターが乗り、少しローファイ感が出るので滲ませるような用途に最適だと感じました。
コンプレッサーを常時かけっぱなしにするには少しクセが強く感じられるので使い分けが必要かなという印象。
近年のペダルに比べるとノイズと、ハイ落ちが気になりますがここをどう捉えるかですね。システムに組み込む術は今の時代たくさんありますし、それも味と割り切れる方でしたら問題ないと思います。
色々コンプレッサーも試してきて、手元に残したり手放したりしてますが、この機種にしか出ないマジックがあって他で試した後も一度この機種で録ったテイクも試してみます。そういうことがあるから面白いんですけどね。
独特なローファイ感のある本機は、80年代〜のシティポップにどハマりするサウンド。
当時を再現したい方は、これとスプリングリバーブがあればかなりご機嫌になれそうです。
入手経路
現在は、現行品もM-102として発売されている。80年代のビンテージは高騰してきているので、気になっている方はお早めに。
まとめ
今回は、MXR Dyna comp `81についてまとめてみました。
今では考えられない価格で入手した本機ですが、いまだに現役バリバリ。
他のペダルを使ってもなぜかこの機種にしか出ないサウンドがあって一度は試してみます。
やはり、名機と呼ばれるだけはあるなと感じました。
それでは、また!