その実力、横綱級。
超が付くほど話題沸騰中のペダルブランド「SUMO STOMP」
「SUMO」と聞いて真っ先に連想するもの。そう、日本国技相撲。
実際、限定品以外で発表される作品のどこかしらにお相撲さんのイラストが描かれている。
一聴しただけでは、本当に人気があるブランドなのか判断するのは難しいだろう。
そのユニークなデザイン・ブランド名とは裏腹に、相撲の番付で表すのであれば「横綱級」
一切妥協の無いパーツ選定、一台一台サウンドエイジングを施しハンドメイドにて製造
そして、少しでも良質なサウンドを求めるプレイヤーに届けたいという漢気に溢れた人間味が
このペダルの人気を底上げしているに感じられる。
今回は、ケンタウロス#843を元に「ベース用」にチューンナップされた
「MINOTAUR」を解剖していきたいと思います。
SUMO STOMPとは
Inner Bamboo Electron 竹下氏が代表を務めるペダルブランド。
Tone of Gold/Inner Bamboo Bass Instrumentsと音に強いこだわりを持つプレイヤーから支持され
新たなコンセプトブランドとして「SUMO STOMP」が誕生。
コンセプトとして、「リーズナブルな値段ながら高価格帯のペダルに匹敵するコンパクトエフェクター」を掲げている。
先のTone of Gold/Inner Bamboo Bass Instrumentsで培ってきたノウハウを生かし、音質、機能性、仕上げどの部分にも一切妥協せず一台一台作り上げている。最近では、ピックアップの販売などエフェクター以外の製品もラインナップされてきている。
そして、人気の秘訣はサウンドデザイナーを務める木下氏の人柄が一役買っていると私は思う。
Twitter等を見ても、コメント欄のユーザーとの大喜利のような兼ね合いはとても慕われている様子が伺える。
様々なペダルブランドがあるが、ここまで近くに感じられるブランドというのはそう多くはないだろう。
付属品・仕様
箱、取扱説明書、保証書、ゴム足
付属品はシンプルですね。取扱説明書に元になったCENTAUR初期の三桁個体#873(Gold)の写真が載っていました。今や、オリジナルは絵付きなどの個体差はあれど、40〜50万で普通に取引されるほどになってしまい、なかなか手が届かない存在となってしまった。サウンドもさることながら、価格も既に伝説級と言っても過言ではないだろう。
説明書を読んでいていて、一つ気になったのがOUTPUTの表記が「OUTPUTL」となっており、これは他の個体の説明書でもこの表記になっているのだろうか。
それでは、全体をどうぞ。
特徴としては、マットな質感の筐体とトップのレーザー彫刻によるデザイン。裏のシールも再現度が高い。
ジャックは本体の上部、電源は左側についている。こちらは、センターマイナス対応。
フットスイッチのクリック音はパチンというタイプ。
手触りは、ひんやりツルツルしていて高級感がある仕上げになっていて、非常に洗練されている感じがします。
大きさは、Z.VEXのFUZZ FACTORYとほぼ同じサイズ。重さも、軽すぎないので安心感があります。
出したついでにサウンドチェックをしてみたら、この2台だけでも相当遊べました。
LEDは、赤色。そして、このノブ。
個人的に、このノブが採用されている(色違いも含む)エフェクターは当たりが多い気がする。
自分の好みという色眼鏡ももちろんあるが、今後紹介するエフェクターもかなりの確率でこのノブが採用されている。
スタイリッシュでエフェクターが引き締まって見える。
それではお待ちかねの、中を開けてみたいと思います。
ネジを外しまして
ででんと。オリジナル同様しっかり電池駆動も出来ます。電池ぴったりサイズです。
昇圧回路を採用しているので、外部電源を使用する際は9V以上の電源は使用しないように。
綺麗な配線の取り回しですね。よくこのサイズに収めたものだと思います。
オリジナルは、このペダル3個半くらいは大きいのでボードの取り回しを懸念して敬遠していた方は嬉しいですね。
緑色の配線材は、WE (LENZでした。)だろうか。良い配線材使ってそうですね。
カーボンフィルム抵抗、フィルムコンデンサーなどが並ぶ。
2段目の中までは確認できませんでした。
nichicon の電解コンデンサー
そして、左側透明なガラスのようなものが核となるゲルマニウムダイオード。NOSっぽいですね。
この部分は、CENTAURの製作者ビル・フィネガン氏が後継機種のKTRになってからも譲らなかったパーツで
やはりそこは踏襲してありますね。
左側青いコンデンサが二つ並んでいるところ、3つ目のところが空いていますね。
筐体・サウンドともに再現度が高いと言われる、Ceriatone CENTURA の絵付きGold.Earlyモデルも、同様に一つコンデンサーが抜けている部分があるのです。
1994年に発売された、KLON CENTUR 。
翌年、1995年に一度だけレイアウト・パーツ追加変更があったみたいなのですが(コレクターによると一度ではない)
約250台までがRev.1と呼ばれる初期個体になるのですが、250台以降はRev.2という仕様に移行されるのです。今回の、元になったモデルは843番とのことでしたので恐らくRev.2仕様のものかと思います。
サウンドチェック
それでは、サウンドチェックです。
MINOTAURも本家同様バッファードバイパスを採用しているので繋いでいる時と繋いでいない時のサウンドが違いました。
主観ですが、音のまとまりがよくなり全体的な存在感が増した感じがしました。感覚的にコンプともまた違いますが、すごくナチュラルなので単純に弾きやすいなと感じます。CE-1ほど顕著に感じられはしませんが、確かにエッセンスが加えられます。
本来ギター用は「LONG TAIL ♯843」の方ですが、今回は敢えて「ベース用」にチューニングされた「MINOTAUR」を買いました。それは、私がシングルコイルのギターを好んで使うことが多いので低域が若干ブーミーな方がむしろ良い方向に働くのでは無いかとそう考えたからです。
実際、使ってみるとこれがハマりました。ONにしてみると、思っていたほど低音域が出過ぎることはなく、むしろスッキリとしているくらいで、TS系などにありがちなMidの帯域が強く持ち上がるのではなく、全体のレンジ感が上がりグッと存在感が増します。Gain0でもサウンドに芯が通ったような変化が感じられ、抜けがよくなります。Gain MAX だと少しブーミーな歪みに感じますが、もともと、CENTAURの製作者ビル・フィネガン氏本人が小音量でもしっかりと真空管アンプ(本人はTwin Reverbを使用)の良さを引き出せるようにと設計されたエフェクターですので、本来の使い方とはちょっと違うのかなと。Gainは抑え目でクリーンブースター・プリアンプ的な使い方をするのがベストだと思います。ノイズも少なく、オリジナルをライブ等で使いたくない方などが代用で使用するのも納得です。OFF時が何か物足りない。そんな感覚すら覚え、私はアコースティックのようなエッセンスがギターサウンドに付与されるような印象を持ちました。
以前紹介した、Psychederhythm「チョコとボング」
サウンドの傾向としてもとても近い部分があり、比較対象として使ってみました。チョコとボングのサウンドは各弦の分離感、煌びやかさがあるので華やかなサウンドになります。所謂、ハイエンド感のあるモダンなサウンドで、トゥルーバイパス仕様なのでバッファーによる音質の変化もみられません。
MINOTAURは、ギターの美味しい帯域をグッと持ち上げ、角のとれた芳醇で甘いサウンドがします。なんとなく私はウィスキーを熟成させる樽を想像しました。まさにいぶし銀。オリジナルのサウンドにかなり忠実な証拠とも言えるでしょう。
日本国技としても、全世界から人気が高い「相撲」
いずれは、このSUMO STOMPも世界中の足元で活躍する日はそう遠くはないだろう。
現在の入手経路
SUMO STOMPのエフェクターは、公式HPから在庫状況がチェックできる。
楽器店でも取り扱いがあるが、即完売してしまう程の人気なのでTwitterなどの情報はまめにチェックしておいた方がいいと思います。
最近は、SUMO STOMPのTwitterアカウントも出来たので合わせてチェックしておきたい。
ギター用のLONG TAIL#843は、既にフリマ等でプレミア価格が付いており、なかなか手が出せなくなっている。稀に今回紹介したMINOTAURも見かけるが、同じく価格は高めだろう。余裕があれば入手もありだが、再販の可能性もあるので見逃さないようにしたい。
まとめ
今回は、SUMO STOMP 「MINOTAUR」について解剖してみました。
最近は、CENTAUR系のエフェクターを触る機会が多くてそこからハマってしまい
夢中になっていろんなCENTAURの資料を読んでました。それと並行していつの間にか
CENTAURクローン系のペダルが次々と‥今年はラムズの年のはずがいつの間にか‥
そんなこんなで、前回の記事から1ヶ月も経過してました。笑
クローンと呼ばれるペダル群ですが、それぞれブランドの解釈があり面白いと感じました!
次は限定版の人馬さんが欲しいですね〜。頑張ります笑
それでは、また。
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